不動産コラム

2025/9/20

築年数だけでは判断できない?旧耐震・新耐震の見分け方と物件選び

耐震基準とは?

建物を建てる際には必ず守らなければならないルールがあり、そのひとつが「耐震基準」です。耐震基準とは、建築基準法などの法律で定められた“建物が地震に耐えられるための最低限の性能”のことを指します。
つまり、この基準を満たさない建物は建築できない仕組みになっており、誰もが安心して暮らせるよう法律で守られているのです。

ただし、耐震基準は一度決まったらずっと同じではありません。大きな地震が発生し被害が大きかった場合には、法律が改正され、基準がより厳しくなることがあります。そのため、築年数によって建物が設計された当時の基準が異なり、「古い耐震基準で建てられた建物」と「新しい基準で建てられた建物」が存在しています。


耐震基準が見直された主な時期

これまでの大地震をきっかけに、耐震基準は段階的に強化されてきました。代表的な改正時期は次のとおりです。

  • 1950年:建築基準法が制定

  • 1971年:1968年の十勝沖地震を受けて一部改正

  • 1981年:1978年の宮城県沖地震を受けて大幅改正(新耐震基準の始まり)

  • 2000年:1995年の阪神・淡路大震災を受けて木造住宅の耐震基準を強化

特に1981年と2000年の改正は大きな転換点であり、この年を境に耐震性が格段に高まったと言えます。なお、鉄筋コンクリート造の基準は1981年以降大きな改正はなく、木造は2000年の改正以降に現在の水準となっています。つまり、2023年現在の耐震基準は、国が定める中でも非常に高いレベルに到達していると言えるでしょう。


旧耐震基準と新耐震基準

1981年以前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれ、現在の基準と比べるとかなり緩い内容でした。たとえば、木造住宅では基礎の作りや壁の配置が弱く、大地震では倒壊のリスクが高かったのです。

一方、1981年以降は「新耐震基準」が導入され、中規模の地震では損傷しないこと、大規模地震でも倒壊しないことを前提とした設計が求められるようになりました。さらに2000年には、木造住宅における接合部の強化や、地盤に応じた基礎設計の義務化など、より実践的な強化が進められています。


新旧耐震基準の見分け方

旧基準か新基準かを判断するには、単純に「築年数」だけで判断するのは危険です。大事なのは建築確認申請を出した時期です。

  • 1981年(昭和56年)6月以降に確認申請 → 新耐震基準

  • それ以前に確認申請 → 旧耐震基準

たとえば1980年に確認申請が出され、1982年に完成した建物は、完成年は新耐震基準の時期でも、設計自体は旧基準で行われています。このように“築年数だけで判断すると誤解が生じる”ため注意が必要です。


地震に強い賃貸物件を選ぶポイント

これから賃貸物件を探す際、地震に強い建物を選ぶためには以下の点をチェックしましょう。

  1. 2000年以降の基準で建てられた物件
    木造住宅の場合は特に2000年以降の建物を選ぶと安心です。鉄筋コンクリート造であれば1981年以降の建物でも十分な耐震性があります。

  2. ハザードマップで地域を確認
    建物の強さだけでなく、立地も重要です。自治体が公開しているハザードマップで、地震被害のリスクが低い地域を選びましょう。避難所の場所や道の安全性も合わせて確認すると安心です。

  3. 耐震補強工事の有無を確認
    古い建物でも耐震補強がされていれば安全性が高まります。書類や工事記録を不動産会社に確認することが大切です。必要であれば専門家に相談するのもおすすめです。


まとめ

耐震基準は、過去の大地震を教訓に強化され続け、現在では非常に高い水準に達しています。賃貸物件を選ぶ際には、

  • 建築年や基準の確認

  • ハザードマップでの立地の安全性

  • 補強工事の有無
    といった点をしっかりチェックすることで、安心できる住まい選びにつながります。

「築年数が新しいから大丈夫」と決めつけず、耐震基準の歴史や確認方法を知っておくことで、より安全で納得のいく物件探しができるでしょう。

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