時期ごとの賃貸市場を理解して、後悔のないお引っ越しを実現しよう
賃貸物件を探す際、「いつ探し始めるか」は、実は物件選びの結果を大きく左右する重要なポイントです。進学や就職、転職、転勤、結婚など、引っ越しの理由は人それぞれ異なりますが、賃貸市場には時期ごとの特徴があり、その流れを把握しておくことで、より希望に近いお部屋に出会える可能性が高まります。
賃貸市場は一年を通して常に同じ状況ではなく、需要と供給のバランスが季節ごとに大きく変化します。今回は、入居時期から逆算したお部屋探しの適切なタイミングと、シーズン別の賃貸市場の動向について詳しく解説していきます。
入居日から逆算する、お部屋探し開始のベストタイミング
お部屋探しは「1.5~1か月前」がひとつの目安
「良い物件は早い者勝ち」というイメージから、できるだけ早く探し始めたほうがよいと考える方も多いでしょう。確かに人気物件は申し込みが入るのが早く、決断のスピードが重要になる場面もあります。
しかし、早く決めすぎると、実際に入居する前から家賃の支払いが発生してしまうケースがあります。お部屋を申し込んだ後は、入居審査や契約手続きを経て、最短でも入居可能になるまでにおおよそ2週間程度かかるのが一般的です。一方で、家賃の発生日を待ってもらえる期間は、申し込み日から3週間前後までが目安で、1か月以上待ってもらえるケースは多くありません。
また、退去予定の物件に申し込む場合は、実際の退去日から約2週間後を家賃発生日とするケースが多く見られます。申し込みから入居までの期間が空きすぎると、その分空室期間が長引き、貸主にとっては家賃収入が途絶えることになります。そのため、より早く入居できる方が優先されやすくなるのです。
交渉によって家賃発生日を調整できる可能性はありますが、特に繁忙期は貸主側が有利な状況となるため、条件交渉が難しくなる傾向があります。さらに、繁忙期は清掃業者やリフォーム業者も多忙になり、希望通りの入居スケジュールが組めないこともあります。
これらを踏まえると、早すぎても遅すぎてもリスクがあるため、希望する入居時期の1.5~1か月前から本格的にお部屋探しを始めるのが、家賃負担とスケジュールのバランスを考えた現実的なタイミングと言えるでしょう。
シーズン別に見る賃貸市場の動向と特徴
賃貸市場は年間を通して一定ではなく、時期ごとに需要や物件の動きが大きく異なります。ここからは、シーズン別にその特徴を見ていきましょう。
1月~3月:新生活シーズンで年間最大の繁忙期
4月の新年度スタートを控え、1月から3月は一年で最も引っ越しが活発になる時期です。3月退去予定の物件が多く市場に出回るため、物件数自体は増えますが、その分競争も激しくなります。
1月中旬頃までは比較的じっくり探せる余地がありますが、それ以降は新着物件が出るとすぐに申し込みが入るケースも珍しくありません。ピークは2月から3月中旬にかけてで、不動産会社への問い合わせや来店予約が集中します。この時期は事前予約が必須となり、条件を明確に伝えておくことで、内見までスムーズに進めることができます。
2月は私立大学の合格発表、3月上旬には国公立大学の合格発表があり、学生向け物件を中心に人気物件は短期間で埋まっていきます。3月中旬以降は一時的に落ち着くものの、後期入試や急な転勤などで引っ越しが決まった方の問い合わせが集中し、条件に合う物件を見つけるのは難しくなります。
この時期は引っ越し業者の料金も高騰しやすく、家賃や初期費用の交渉は難しい傾向があります。ただし、新築物件が多く供給される時期でもあり、キャンペーンによって礼金が不要になるなどのメリットが得られる場合もあります。
4月~6月:落ち着いて探せるが需要は継続
繁忙期を避けてじっくり探したい方が増えるのが4月以降です。物件数は繁忙期ほど多くありませんが、退去が遅れて市場に出る物件もあり、思わぬ掘り出し物が見つかる可能性もあります。
また、6月の結婚シーズンを控え、同居を始めるカップルが増えるため、1LDKなどの需要が高まります。一方で、単身者向けのワンルームや1Kには空きが出やすく、単身者にとっては狙い目の時期と言えるでしょう。
注意点としてはゴールデンウィークです。管理会社やオーナーが休業するケースが多く、物件情報が確定しにくいため、連休期間を避けて動くのがおすすめです。
7月~8月:閑散期で条件交渉がしやすい時期
年間を通して最も引っ越しが少ないのが夏の時期です。物件の動きが鈍くなるため、貸主側が条件を柔軟にするケースも増え、家賃の値下げや敷金・礼金が抑えられた物件が見つかる可能性があります。
引っ越し業者の費用も比較的安くなるため、全体的なコストを抑えたい方にはメリットの大きい時期です。ただし、エアコン工事やお盆期間の管理会社休業など、スケジュール面には注意が必要です。
9月~10月:法人異動が増える第2の繁忙期
秋は企業の人事異動が増え、不動産業界では第2の繁忙期と呼ばれています。単身者向け、ファミリー向けともに物件数が増えますが、転勤の場合は入居時期が決まっていることが多く、スピード感が求められます。
最近ではオンライン内見を活用する方も増えており、遠方からの引っ越しでも効率的にお部屋探しが可能になっています。
11月~12月:次の繁忙期に向けた準備期間
年末に向けて引っ越し需要はいったん落ち着きますが、年明けの繁忙期に向けた情報が徐々に出始める時期です。新築物件の情報が公開され始めることもあり、早めに情報収集を行うことで、希望条件に合った物件を見つけやすくなります。
まとめ:時期を理解することが、納得のお部屋探しにつながる
引っ越しが特に活発になるのは、1~3月と9~10月の繁忙期です。この時期は物件情報が豊富な反面、競争も激しく、素早い判断が求められます。一方、夏場などの閑散期は物件の動きは鈍くなりますが、条件面で有利になる可能性があります。
どの時期にもメリットとデメリットがあり、「絶対にこの時期が正解」というものはありません。大切なのは、シーズンごとの市場動向を理解し、自分の状況に合った探し方をすることです。計画的に情報収集を行い、タイミングを見極めることで、納得のいくお部屋探しにつながるでしょう。











